TECHNOLOGY/SOLUTIONS

省⼒型3次元電気探査

地熱調査、火山防災調査に最適な地中3000mまで3次元解析できる低コスト・高精度の国交省「標準化推進技術」

比抵抗法2次元電気探査(高密度電気探査)の測定データを3次元解析する電気探査技術を紹介します。
縦横断面および水平断面など解析に必要な比抵抗分布を、既往の3次元電気探査の8分の1に密度を減らした合理的な電極設置、かつ1回の探査で取得できます。
3次元電気探査を低コスト化するとともに、2次元電気探査の精度上の課題を解決し、実用的な高精度化を実現しました。

大規模地すべり、斜面崩壊、トンネル調査および地熱調査といった比較的広範囲に及ぶ地下構造の調査では、一般的に2次元電気探査が適用されています。
この2次元電気探査は、探査測線沿いの地形および地質構造が探査断面に直交する方向に変化しない前提で測定データを解析するため、地形や地下構造が3次元的に変化する実際の地盤では探査精度の低下が避けられませんでした。一方、3次元電気探査では高精度で地下構造を把握できますが経費が掛かりすぎることが難点でした。

現場コストは2次元電気探査と同等 「省力型3次元電気探査」は、現地測定に関しては従来同様の比較的少ない複数測線で2次元電気探査を実施し、解析は3次元解析とすることによって、2次元電気探査と3次元電気探査それぞれの課題を克服した、低コスト・高精度の3次元電気探査技術です。
地形や地下構造の3次元的な影響を適切に処理し、従来の2次元電気探査と変わらない現場コストで評価が可能です。

主な特徴は、「2測線以上が交差した地点で比抵抗分布が一致しない」という現象が発生しないこと、3次元比抵抗分布から地下構造の連続性を把握できること、大規模調査(1×1㎞)が可能なこと、既存の電気探査結果を流用できることなどです。
必要に応じて容易に追加調査を実施できること、調査を重ねることで解析精度をさらに高められることも特徴です。

また、現地状況に合わせて探査測線を屈曲させて設置できるので、土地利用の制限や地表構造物などの影響で探査測線を直線状に配置できない現場(2次元探査の適用が困難な現場)への適用が可能です。
3次元モニタリングについては、例えばトンネル調査などの場合、トンネル掘削前の3次元比抵抗分布とトンネル掘削後の3次元比抵抗分布を比較することによって変化した地下水の3次元分布が把握できます。

省⼒型3次元電気探査の主な特徴

  • これまで2次元探査で課題となっていた「2測線以上が交差した地点で、⽐抵抗分布が⼀致しない」という現象が発⽣しない
  • 3次元⽐抵抗分布から地下構造の連続性を把握できる
  • ⼤規模調査(1km✕1km)が可能
  • 既存の電気探査結果を流⽤できる
  • 必要に応じて容易に追加調査を実施することができ、調査を重ねることで解析精度をさらに⾼められる

⼟⽊分野では、トンネル⼯事・地すべり調査・地下⽔調査・地盤変状調査・埋⽴地盤及び汚染調査等、広範囲で活⽤可能。
また、近年ニーズの⾼まっている地熱調査や⽕⼭防災などのための深さ3000m程度の地下深部調査にも活⽤できます。

NETIS新技術登録(KT-190011-A)資料
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標準化推進技術に
指定されました

省力型3次元電気探査の概要図

測定作業によりデータ収集を行い、1次データ処理として、数値地形図に電極位置などを入力。2次データ処理として3次元解析を行った後、その結果を図として表現します。

トンネル調査

急斜面地・深層崩壊調査

火山・温泉・大深度地熱調査

調査の様子

機器